月を旅路の友として

大学生です。旅行記と、140字じゃ収まらないネタと、色々。

何もしてないのに人生が壊れた

  • 廃品回収車に乗りたい

 廃品回収車って最近見かけなくないですか?いやあれは見かけるというよりかは耳で存在を感知するものだと思うんですけど、よく考えてみたらもうここ数年一回も近所に来た覚えがありません。もはや僕の家の周りからは全て廃品という廃品を根こそぎ狩り尽くして廃品不毛地帯にしたから用済みになったのか、エコでリサイクルでサスティナブルな社会が到来したのであれ自体が用済みになったのか、まあ知るところではありませんが、今猛烈にあれに乗りたいんですよ。奥行きの方がでけえブラウン管テレビとか、お前カビのせいで逆空気清浄機になってんだろみたいなきったねえ灰色のエアコンとかと一緒くたに荷台に積まれ、軽トラに揺られてどこまでも行きたいと思うんです。「壊れていても構わない」んでしょ?乗るしかねえだろ。あれはビッグウェーブなんですよ。人生三大乗りたいものランキング:「前の車を追いかけるタクシー」「バカデカいショベルカー」「廃品回収車」。

 乗りたいと思っても廃品回収車が来ないなら乗れないというのは自然な道理なんですけど、マジで一切来ないんですよね。昔あれだけ来てたのに。そう思うと自由に廃品回収車に乗れた時代がすげえ羨ましい。壊れていても構わなかった昔が欲しくて欲しくて仕方ない。でももう無理なんです。壊れちゃったら、ちゃんとよくわかんないところに電話して、コンビニかなんかでお金払って、日曜日に来てもらって、連れ去ってもらうしかないんです。こうやって僕の欲しいものはいつもいつもいつもいつも時代に奪われていきました。あと十年早く生まれていたら?無い物ねだりは悲しいだけだって一番わかってるんですよ。でもそうでしょう、もし仮に十年前に同じ年齢だとしたら、もし仮に五年前を同じ立場で味わえたとしたら、今の自分と比較して楽しかった・気軽だった・自由だった、そんなことは目に見えてるわけです。クソみてえに暑いのにマスクつける必要もねえし、好き勝手誰の目も気にせず世界中ふらふら回っていいし、ツイッターにはまだクソリプも来ないし、ツイッターにはまだクソ引用RTも来ないし、ツイッターにはまだクソ陰湿鍵リツイートも来ないし。

  • さようなら懐古厨

 僕は自他共に認める懐古厨です。まあざっくりここまでの千文字ぐらい読んでたらだいたいわかると思いますし、あるいはツイッターのアカウント覗いてたら時々失われた時を求めたり過ぎ去りし時を求めたりしてるのは知っている事かもしれません。でもそれは比較的緩やかに自分のしたいことが奪われていったりした時に感じる事であって、時代の進みに連動した技術革新とかの恩恵を受ける分とのプラスマイナスゼロかなあって思ってたわけです。ところが2020年がやってきたらこのざまです。壊れかけです。たとえ徳永英明でさえ本当の幸せを教えてもらうことができません。逆に聞きたいんですけど、2019年と比較して今年何か一つでもいいことありましたか?僕はありません。一切。ゼロ。なにこれ?喪中?

  • 復讐は何も生まない[要出典]

 もうむちゃくちゃ腹立ってくるわけですよ。俺なんか悪いことしたか?確かに親に見せるプリントをランドセルの中でくしゃくしゃにちぎれさせて無くしたふりしたり部室でカルピスを密造酒に変えたり今もLINEを十日返してなかったりとかしましたよ、ええ。でもそれで大学生活大凡三年間を奪われなくちゃいけないんですか?お母さん創ろうとしたって左足持ってかれるだけですよ。俺の人生三年やるからって等価交換は一体何となら成り立つんですか?もう懐古とかしてる場合じゃないんです、ただ真っ当に何事もなく大学生活を送れる環境があった全ての過去に対する憎悪がこの三ヶ月で作られました。クッキーババアがクッキー作るのと同じくらいの勢いで「憎悪」家で作ってました。持たざる弱者としての現在から過去へのルサンチマンです。もちろんそんな感情に何の意味もありません。早くそんな負の感情捨てた方が真っ当な人生送る上ではましです。そんな復讐は何も生まない以前に復讐にすらなりません。

  • 最高の人生

 という訳で現代から過去へ向けてのこの憎悪をどう形にしていくか、となった時に答えは一つしか浮かびませんでした。クソほど楽しんでやります。比較したらもちろんこんな時代カスのゴミで終わりかけですよ。でもなんか作ってやりたい。なんかしてやりたい。安全圏にいる過去と未来に一泡吹かせたい。そのためならなんだって、もう一から軽トラ買ってきて自分で廃品回収車にして自分で回収されてきます。もちろんルールも世間体もしっかり守った上でめちゃくちゃやります。程よい制限はスパイスです。よく年重ねて制限がなくなったから楽しい、っていう人いるじゃないですか?バカじゃねーのって思います。んなもんルール破ったら誰でも面白くなれんだよ。全裸で新宿アルタ前に直立不動してたら誰だって面白いだろうが。将来「コロナだったから仕方ないよね」とか「かわいそうな世代だったね」とか、多分絶対言われると思うんですけど、それを何の感情もなくしかも自分はのうのうと何の心配も不安もなしに青年期を生きた人間に言われたら多分死ぬほどムカつくと思うんですよね。で、言ってやるか、まあ言わないにしても心の中で思うか、どっちでもいいからこう言ってやりたい。

「おかげさまで最高の人生です」

 

(人生が)おしまい